社会人・一般

 私は大学院時に模擬国連サークルに入っており、社会人になって教養や時事能力を証明する資格が欲しいと思ったことが、ニュース時事能力検定を受検したきっかけです。

 勉強方法としてテキストを一通り読み、その後、問題集を得意な分野から一通り解きました。間違えた問題はチェックしておき、2回目は間違えた問題のみを解きました。本番までに3回くらい一通り問題を解いたと思います。学習を通して、普段ニュースを聞いていて分からないことが詳しくテキストに書かれており、問題を通して細かい所まで知ることが出来ました。

 私は、第39回に3級、第40回に準2級、第42回に2級に合格し、ニュース時事能力に自信が持てました。最近では、ニュースで話題になっている出来事についてもっと知りたいという関心が持てるようになりました。時事を学ぶことで問題解決能力が身に付き、深く物事を考えることが出来ると思います。合格した後も最近の時事能力を試すために2級合格を目標に勉強したいと考えております。

 毎日新聞社や朝日新聞社、全国の地方新聞社が主催する「ニュース時事能力検定試験」は、2020年に創設14年目を迎える。昨年11月に実施された第47回検定では累計志願者が45万人を突破。中学・高校・大学生を中心に、社会人へも支持が広がっている。毎日新聞社が発行する月刊「ニュースがわかる」に「オジさんの話を聞いて!」を連載中の時事芸人、プチ鹿島さんもそのひとり。新聞の読み方や社会情勢の見方の解説が分かりやすいと好評だ。その鹿島さん、昨年11月のニュース検定に挑戦し、見事1級と2級に合格した。11月の1級合格率はなんと4%ほど。超難関突破はいかにして果たされたのか。「仕事の合間を見つけて勉強した」という極意や新聞、メディアへの関わり方を語ってもらった。【聞き手・毎日教育総合研究所社長、澤圭一郎】

 1、2級一発合格おめでとうございます。

プチ鹿島さん ありがとうございます。いやあ、でもかなり難しかったですよ。

 今回の1級は問題も難しかったようで、全国で9人しか合格しませんでした。仕事されながらですからすごいことです!

鹿島 まさか1級も合格するとは思わなかったのでうれしいです。記述式問題よりも択一問題がとても難しかったです。

 どのように準備されたのですか。

鹿島 テレビやイベントの仕事の合間をぬって、テキストと問題集を勉強しました。ともに3回はやりました。ほんと、検定までの1カ月は人生で一番勉強したと思います。まさに受験生と同じ心情で。寝る前の1、2時間は毎日テキスト読んで問題集を解いてましたね。最初にテキストを読んでから問題集を解く。次は問題集を解いてみて、ひっかかった問題をテキストで復習する。何度もつまずく問題、つまり苦手な分野が浮き彫りになってきます。そこで、ゲーム感覚で「さあ、どうやって攻略してやろうか」なんて作戦を考えてね。テキストに赤い字で書かれている点は大事な部分ですし、自らラインマーカーで印をつけながら勉強しました。

 鹿島さんならではの作戦、勉強法もあったとか。

鹿島 テキスト、問題集に書かれている出来事を記事検索したんです。いまはパソコンで検索が容易ですね。「パリ協定」とか「RCEP」なんて単語も出てくるじゃないですか。それを覚えるというより、記事を検索して内容を読み直したんです。すると「ああ、そういうことだったのか」と深く理解できる。知ってはいたけど、出来事の流れを再度たどることで「本当に理解できた」と思います。楽しみながら勉強できたんですね。私にとってストレスにならない勉強の仕方でした。

 時事芸人ならでは、ですね。

鹿島 ニュースは日々動いていますから、テキスト・問題集を勉強して基本は身に付け、さらに毎日のニュースも追いかける。それが効果的だったのだろうと思います。

 好きな分野、得意なテーマはありますか。

鹿島 政治分野は好きだし得意なんです。10代のころから政局に関心があって。

 それはまた珍しいですね。

鹿島 父が買ってくる週刊誌や月刊誌を読むのが好きでした。そこには、政治家の人となりや人間関係が書かれている。田中角栄元首相の派閥の話やそこから独立していく竹下登元首相の思いなどが描かれている。「政治家といっても人間なんだなあ」と。どろくさい面があるんですね。それが面白かった。

 そこが今の仕事につながる原点でもあるんですね。

鹿島 そうです。お笑いの世界に入って、最初はコンビを組んでいたんです。でも、時事的なネタは扱わなかった。私個人の「趣味」にとどめておきました。相方もいるしね。コンビを解散して30代後半でピン芸人になった時「自らが面白いと思っている時事ネタで勝負していこう」と決めた。原点は、子供のころから親しんでいた雑誌や新聞なんです。

 最近は紙の新聞を読む方が減ってきています。

鹿島 私は紙が好きですね。私はいま、13紙に目を通していますが、特にスポーツ新聞は必ず紙を読みます。カラフル感や見出しの面白さ、レイアウトの楽しみは紙の編集でないと味わえない。ですから、一般紙も紙そのものでなくてもパソコンやスマートフォンで「紙面ビューアー」(紙の新聞を電子化したもの)を見ます。

 新聞を味わうんですね。

鹿島 味わい方があります。毎日新聞、朝日新聞、読売新聞といった一般紙に社説がありますよね。

 あります。私、書いていました。

鹿島 堅いイメージがありますよね。偉そうというか。

 すみません(笑い)。

鹿島 でね、私は社説を擬人化して見ているんです。「師匠」と呼んでます。社説は大所高所から論じるので。たまに、論じていないこともありますが。

 ははは。

鹿島 例えば、成人の日の社説は「師匠がまた若者に説教しているな」などと見ながら読むわけです。説教の仕方が師匠によって違うのです。つまり、新聞社によって視点や論点に違いがある。

 確かに違いますね。

鹿島 だから、同じテーマで読み比べると面白いんです。読売の師匠はこんな調子だが、毎日の師匠は別のことを話している、なんてね。「看過できない」というフレーズが好きで多用する社説があることを発見したりして。突っ込みを入れながら読んでいるとなかなか楽しいんですよ。なので、各紙の1面トップ記事、コラム、社説は読み比べして楽しんでいます。新聞自体も擬人化して、各紙を性格分けして見ています。朝日さんは、産経さんは、などとね。舞台で時事コントするときのネタにもなるのです。

 多くの方がそんな読み方をしてくださると良いのですが。

鹿島 あとね、新聞の記事はプロの記者がしっかりと裏付けをとって書いているから信用できるのです。調べて書いているから。だからプロ。私たちはそんな時間は作りにくいから、お任せしているわけです。私たちは楽して確かな情報がとれる新聞をもっと利用すればいい。そこがインターネット上にある情報との違いではないでしょうか。さらに、どこか笑える「おかしみ」が必要なのではないかと感じるんです。いま、ネットの世界を中心に、他者に対して厳しいですね。攻撃的だったり罵倒したりする。そうではなくて、偉そうな社説も「師匠」と呼んで、ちょっとおかしみを交ぜて見る。私はそんな味わい方が好きなんです。さらに紙の新聞の良さを言いたいのですが「関心がない出来事も見出しが目に飛び込んでくる」。これ、重要です。ネットの世界だと、関心のない出来事は調べないし情報を取ろうとも思わない。でも、新聞紙面は「一覧性」があるから、関心のないことも目に入る。それが大事。「あれ、どこかで見たな」と意識の中に残るのです。

 ぜひとも多くの方に今の話を伝えてください。特に若い人に(笑い)。

鹿島 いま、時代の大きな転換点ですよ。その時代に生きていることを、若い人は味わってほしいです。20年後、「令和って元号になった時はさあ」なんて、後輩たちに話して聞かせられるんですから。教科書に載る出来事があった時代に生きているんです、いまの若い人は。体験者なんですね。だから、目いっぱい、時代や社会を味わってほしい。吸収してほしい。新聞も使って。

 ニュース検定から新聞の活用法まで、幅広いお話ありがとうございました。1級合格者に話していただくと重みが違いますね。

鹿島 テキストと問題集は毎年更新されるので、これからは生涯学習として毎年買って勉強しますよ。ホント、よくできているし、ためになる。私は今後「N検1級合格者」って目で周囲から見られるわけで、気を抜くわけにはいきませんからね。でもね、テキスト持っていない人は、これは手に入れたほうがいいですよ、間違いなく。必ず役に立ちます!

 ニュースの勉強をして得した出来事をご紹介します。

 最近輸入品が安いね、という会話をした時に、関税を低くする貿易協定ができたこと、またそうした協定が増えている理由を説明する機会がありました。「すごい!よくそんなこと知っていますね」と言われ「いや~、一応40過ぎた大人だからね」と返した時の気持ち良さと言ったら!ニュースの勉強をやっていて良かったと思えた瞬間でした。

 今はこんな私も、以前はニュースについて知りもしなければ、興味もありませんでした。そんなことより、日々の仕事や休日の予定の方が余程大きな関心ごとでした。しかし、年齢を重ね、生活にも落ち着きが出てきた頃、ふと思いました。「社会人として、このまま何も知らなくていいのだろうか」そんな時に出会ったのがニュース検定でした。

 ニュース検定の良いところは2つあります。

 まずは広い範囲のニュースを学べること。ニュースと言えば政治・経済が真っ先に浮かびますが、ニュース検定では働き方・環境問題・科学など多くのニュースを扱っています。1人では偏りがちな知識がバランス良く身につきます。

 次に合格という目標ができること。目標ができると学びに力が入ります。読み流すだけだった新聞も「検定にでるかも」と思うと集中して読めるようになりました。目に見える成果が出るのも良いですね。

 普段の会話でニュースが話題になることは少ないですが、いざなった時に全くわからないのはバツが悪い。私のような中堅世代は尚更です。ニュースってよくわからない。でも、本当はわかるようになりたい。これは多くの大人の本音だと思います。ニュース検定は、そんなあなたの背中を押してくれるキッカケになるはずです。

忙しい時間をぬって1カ月間じっくり勉強 
公式テキストでニュースの背景までよくわかりました

 今年(2019年)のお正月に思い立って受検を決めたんです。同僚のアナウンサーがニュース検定を受検しているという話を以前から聞いていて「私も是非!」と思ってはいたんです。報道に携わる仕事柄、ニュースや時事問題には日々関わっているので。ただ、仕事も忙しくなかなか時間が取れなくて。

 今回は平成最後の年に受けてみようと決心し、申し込み締め切りのギリギリでしたが「2級」にエントリーしました。滑り込みっていうタイミングでしたね。

 なので、試験まで1カ月ほど。公式テキストと問題集を買って、準備を始めたんです。仕事の合間をぬって、毎日1~2時間勉強する時間を確保しました。

 まずテキストをじっくり読みました。各分野が分かりやすく書かれていて、読むだけでもとても勉強になったんです。聞いたことはあるけれどはっきり説明するのが難しい出来事や、その背景を知ることが出来たのも収穫です。

 その後に問題集を手に取り、解いていきました。結局時間不足で最後まで出来なかったのが残念だったですね。「あと1週間あれば、全部できたのに」って。

合格できて本当に嬉しい 次は1級に挑戦したいです

 検定試験は東京の会場で受けました。小学生から高齢者まで、幅広い層が受けに来ていたのが印象的でしたね。「こんなにニュースや時事問題に関心がある人がいるんだ」って嬉しくなりました。で、問題を開くと「結構難しい!」。最初の感想でした。もちろんすぐに分かるものもありましたが、正解を迷う問題も結構あって。45問で50分ですよね。ぎりぎりまで鉛筆を動かしていましたよ。

 ニュース検定は「政治」「経済」「暮らし」「社会・環境」「国際」と5分野あります。生活に関わる「暮らし」の問題は、身近なテーマなので結構得意です。でも、政治や経済は忘れていることもあったりして苦戦しました。

 6割ほどは出来たっていう自信はあったんですが、合格が分かったときは本当に嬉しかったです。落ちていたら、受検したことも周囲に内緒にしておこうと思っていたので(笑)。

 とても勉強になったので、できれば令和元年である年内に今度は1級に挑戦したいですね。準備ができれば、ですけれど。

ニュースの“その先”を考えることが大切

 私も日々お伝えしているニュースは、短いものだと1分ほどで、記者の方が取材した何があったのかを分かりやすくまとめてくださっています。ただ私自身が記者を務めていた頃に感じていたのは、取材した全てを原稿に詰め込むことは不可能に近く、また、現場での肌感を伝えることが難しい…というものでした。もちろん、ニュースに感情を込めることは、報道機関としてはできません。でも、例えば事件取材において、犯罪はもちろん悪いことで償うべき罪なのですが、その罪にはどうしようもない理由があった…その根元を社会全体で変えていかないと本当の解決には至らないなと思うこともありました。また同じような事件が起こさないためには、ニュースのその先を考えることが大切です。

 だからこそ、ニュースを受け取る人もそのニュースのことについて考え、自分にどのような影響があるのか、また自分にはどのようなことが出来るのかを考えることが大切なのだと思います。ニュースを学ぶことで、考えるための材料が蓄えられるのではないかと思います。

勉強の過程は無駄にならない

 ニュース検定、とても良いです。仕事にも役立つのはもちろん、さまざまな知識も身に付けられて豊かになった気がします。もちろん合格できるのが最高の結果ではありますが、たとえ不合格でも、準備のために勉強したことは決して無駄にはなりません。皆さんにも大いにお薦めします。



小菅 晴香(こすげ はるか)
神奈川県出身
慶応義塾大学経済学部卒
北海道文化放送アナウンサーを経て、フリーに。
2016年4月より 日本テレビ「Oha!4 NEWS LIVE」のニュース担当キャスターとして活躍中。
ニュース時事能力検定2級のほか、漢字検定2級、英語検定2級も取得。

 複数の病や障害を抱えながら「履歴書に書ける資格取得」「自らのスキルアップ」を目標に、ニュース時事能力検定に挑戦した神奈川県横須賀市に住む中川絢子さん(38)。6月実施の第45回検定に出願し、見事3級に合格した。動機のひとつが「母が頑張る姿を娘に見せたかった」。合格を手にした今、仕事復帰を目指して、笑顔で前を向いている。

 中川さんは、高校3年の時に難病指定されている膠原病を発症。さらに5年前には、両足にも病を抱え、今は車いすで移動する。物事に集中しすぎる傾向もあり、現在、県内の就労移行支援施設で就職に向けたトレーニングを積んでいる。一方で、2人の娘の母として家事もこなす日々だ。

 就職を目指す際に何らかの資格を持っていたい。そう考えていた中川さんが、高校生の長女と書店を歩いていて見つけたのがニュース検定のテキストだった。「高校時代に公民の授業が好きだったことがよみがえってきて。迷わず手に取りました」。

 長女にも受検を勧めたが「まずは私が合格する姿を見せよう」と奮起。6月検定の締め切りが迫っていたが、1カ月間テキストに真剣に向き合って合格すると決め、3級と準2級の受検を即座に申し込んだ。

 自宅から施設に通う、朝夕の通所時間を勉強に充てた。「自宅では子供の世話や家事もあり、なかなか勉強が出来ないので、電車の中で集中するようにしました」。施設のスタッフも応援してくれた。あるスタッフは「履歴書に書くことができるというのも大切だが、ハンディを負いつつもチャレンジする姿が何より素晴らしい。目標に挑戦する過程は、今後の人生を歩む上で必ず力になりますから」と話す。

 そんな思いにも応えようと、中川さんは6月、3級と準2級に挑んだ。準2級は惜しくも合格に届かなかったが、3級は晴れて合格。国際分野は満点だった。合格を手にして「自分に自信が持てた」と中川さんはいう。「次はしっかり準備をして準2級にチャレンジします」。

 子どもが就活に役立つと大学で勧められたので、最初は後押しのつもりで私も一緒に受け始めました。それがだんだん自分の受検自体が目的になり、昨年はついに1級に合格しました。妻からは「パパすごい。尊敬する」と言われ、久しぶりに達成感を味わえました。ニュース検定を受けたことで、自分が興味を持たなかったような記事にも目が向くようになり、もともと好きだった新聞が、さらに楽しく読めるようになりました。